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Adobe XDの詳細
Adobe XDとは
Adobe XD(アドビ エックスディ)は、Adobe社が開発したベクターベースのプロトタイピング作成ツールです。Webサイトやモバイルアプリのユーザーインターフェース(UI)およびユーザーエクスペリエンス(UX)デザインに特化しており、デザイン・プロトタイピング・共有を一つのアプリケーションで完結できることが特徴です。
項目 | 内容 |
---|---|
開発元 | Adobe Inc. |
リリース日 | 2016年(プレビュー版)、2017年10月(正式版) |
最新更新 | 2022年(メンテナンスモードへ移行) |
対応OS | Windows、macOS |
利用形態 | Adobe Creative Cloudコンプリートプランに含まれる |
特徴・ポイント
Adobe XDは、直感的な操作性と効率的なワークフローに重点を置いたデザインツールです。以下にその主要な特徴を紹介します。
デザイン機能
Adobe XDは、Webサイトやアプリのインターフェースデザインを簡単に作成できます。IllustratorやPhotoshopより直感的な操作が可能で、初心者でも扱いやすい設計になっています。描画ツールやテキストツールを使って基本的なデザイン要素を作成できるほか、「リピートグリッド」機能を使えば同じデザインを効率的に複製できます。
また、UIキットも豊富に用意されており、デザインの時間短縮に役立ちます。ワイヤーフレームから詳細なデザインカンプまで、UI/UXデザインのさまざまな段階で活用可能です。
プロトタイピング機能
Adobe XDの大きな強みは、コーディングなしでインタラクティブなプロトタイプを作成できることです。画面遷移、アニメーション、インタラクションなどを設定でき、実際のWebサイトやアプリのような動作を簡単に再現できます。
プロトタイプモードでは「インタラクション」機能を使用して、トリガー(きっかけとなる行動)とアクション(動作)を組み合わせて画面遷移を設定します。これにより、クライアントやチームメンバーに対して、完成後のイメージをわかりやすく伝えることができます。
共有・コラボレーション機能
Adobe XDでは、作成したデザインやプロトタイプを簡単に共有できます。URLを生成して配布するだけで、Adobe XDをインストールしていないユーザーでもブラウザ上でプロトタイプを確認できます。
また、共有したプロトタイプに対して直接コメントを残せる機能も備えており、フィードバックの収集や修正指示が効率的に行えます。これにより、クライアントとのコミュニケーションやチーム内での協業がスムーズに進みます。
利用シーン
Adobe XDは様々な場面で活用できますが、特に以下のようなシーンで威力を発揮します。
Webサイト・アプリのデザイン設計
Webサイトやモバイルアプリの画面デザインを作成する際に、ワイヤーフレームから詳細なデザインカンプまで一貫して作業できます。特に「リピートグリッド」機能は一覧ページなどの作成に便利で、作業効率を大幅に向上させます。
プロトタイプによる動作確認
デザインしたWebサイトやアプリの動作を、実際にコーディングせずに確認できます。ボタンのクリックやスワイプなどのインタラクションを設定し、実際のような操作感をシミュレーションできるため、デザインの問題点を早期に発見できます。
クライアントやチームとの共有
作成したデザインやプロトタイプをURLで簡単に共有でき、Adobe XDを持っていない相手でもブラウザで確認できます。フィードバックもコメント機能で直接もらえるため、修正のやり取りがスムーズに進みます。
補足情報
現在のステータス
Adobe XDは2022年以降メンテナンスモードに移行しており、新機能の開発は行われていません。これは、Adobeが2022年9月に競合ツールのFigmaを買収(約2兆8,700億円)したことが関係しています。
現在、Adobe XDの単体販売は終了していますが、Creative Cloudコンプリートプランでは引き続き提供されています。既存ユーザーはサポートが継続されており、バグ修正やセキュリティアップデートは行われる予定です。
代替ツールへの移行
Adobe自身がXDからの移行先としてFigmaを推奨していることから、新規でUI/UXデザインツールを検討する場合はFigmaの利用が一般的になっています。世界的にもFigmaのシェアは拡大傾向にあり、特にコラボレーション機能の強さが評価されています。
機能的制限
Adobe XDはUI/UXデザイン特化型のツールであるため、画像編集機能は限定的です。レイヤー効果や高度な画像編集にはPhotoshopなど他のAdobe製品と併用する必要があります。また、HTML/CSSのエクスポート機能も限られているため、コーディングへの橋渡しには一定の制約があります。